身近なAI(人工知能)にはどんなものがある?今後の予測も!
この記事について
みなさん、身近なAIといえば、どんなものを思い浮かべますか?
最近ではAIという言葉もだいぶ浸透してきて、スマートフォンの音声アシスタントやお掃除ロボットなど、暮らしの中でも活用の幅が広がっています。
日常生活だけでなく、仕事先や病院など、出かけた先で何気なく触れているものにも、AIは広く使われています。
AIによって快適な生活を送ることができるようになっている今、「これ以上、どのように進化していくのだろう?」と近未来でのAIの活用法も、気になっている方は多いかもしれません。
今回は身近なAI技術の活用例をご紹介しながら、今後のAIの進化や、AI技術が日常生活にどのような影響を与えていくか、という予測のお話もしていきます!
ぜひ、参考にしてくださいね。
このコラムは、私が監修しました!
准教授大江 亮介Oe Ryosuke
毎年ゼミに所属している学生さんの卒業研究を指導しています。皆さんいろいろなテーマで卒業研究に取り組んでいますが、やはり何かしらの形でAIを利用したものが多いです。
例えば、人の顔の状態を読み取ったり対象物の位置を判断したりする画像認識、人間らしい文章を生成して返す自然言語処理など、研究目的に応じた様々なAIについて調べてプログラムを作ってくれています。
中には私も知らないAIを使っている学生さんもいて、卒業研究指導を通して私も一緒に勉強させてもらっています。
AIは今後も様々な分野で利用が進むと思われますので、複雑なAIを使いこなしてアイデアを形にした経験が将来役立ってくれるとうれしいですね。
目次
AI(人工知能)とは?身近なAIの活用例
AIとは、コンピュータやロボットなどの機械に、人間と同じような知能を与える技術のこと。
「人工知能」とも呼ばれています。
近年のAIは自ら学習する能力も備えており、例えば音声や画像などから得られた情報を分析して問題を解決するなど、大量のデータをもとに認識・予測・判断・推論・提案を行うことができます。
そのため、現在では自動車、医療分野、教育分野、金融業界、食品産業など、さまざまな分野で利用されています。
「ロボットとAIはどう違うのか」という疑問を持つ方もいますが、意味合いは異なります。
ロボットは、機械や電子部品を組み合わせて人間のような動きをする機械のことを指しますが、AIは人間の脳の働きを模した情報処理の一種です。
ロボットは自動的に行動するプログラミングを施されて動きますが、AIは「学習したデータから法則を導き出し、予測を立てることができる」という、自ら行動を起こせる点が大きな違いです。
ただし、最近は多くのAI搭載のロボットが登場しています。
AIの仕組みや歴史については「AI(人工知能)とは?歴史や仕組みまでわかりやすく解説!」 のコラムでもお伝えしていますので、チェックしてみてくださいね!
では、身近なAI(人工知能)にはどんなものがあるか、詳しくご紹介していきましょう。
音声アシスタント・音声認識アプリケーション
音声アシスタントとは、音声を認識して質問や依頼に対して答えてくれるシステムです。
AIの自然言語処理や音声認識技術を使用して、さまざまなタスクを実行できます。
具体的には、「Siri」「Google Assistant」「Alexa」などがあります。
音声認識アプリケーションは、音声を認識してテキストに起こしてくれるアプリケーションです。
AIの機械学習やディープラーニング(深層学習)を用いて開発されており、具体的には音声入力や音声検索、音声コマンド、自動字幕、翻訳などの機能で利用されています。
自動車の自動運転やアシスタント機能
注目度の高い自動運転にも、AIの技術が関わっています。
まず、カメラやレーダーなどのセンサー技術で周囲を監視し、得たデータをAIが解析。
その上で状況を把握し、自動運転の際にスピードや車間距離の調整、停止の判断などを行うことが可能です。
また、前方の障害物を検知して衝突を回避するシステムや車線の逸脱を知らせる機能、周囲の状況に合わせたヘッドライトの調整を行う機能など、安全性能にも寄与しています。
車種によって装備されている、エンジンの最適化や燃費を向上させる「エンジン制御」、現在の交通情報を確認できたり最適なルートを提案する「ナビゲーション機能」、映像再生や電話受付などを行う「アシスタント機能」などにもAIが活用されています。
お掃除ロボット
お掃除ロボットもAI家電の1つですが、AI機能を内蔵した家電は数多く出ているので、さらに別枠でご紹介します。
AI搭載冷蔵庫
長時間の外出中は自動で「節電モード」になって電力消費量を節約したり、最適な保存を行ってくれる画期的な冷蔵庫。
調理履歴・季節・ 好みに合わせて献立を提案してくれたり、スーパーの特売日を教えてくれたり、スマホと連動して外出先でも中身が確認できたりなど、嬉しい機能が満載です。
AI搭載炊飯器
ユーザーの好みをもとに炊き方を調整してくれたり、お米の種類ごとに最適な炊飯をしてくれたり、外気温や水温が異なる場合でも最適な炊き方に調整してくれる機能があります。
AI搭載オーブン・電子レンジ
自然な対話から状況に応じて操作画面の呼び出しを行ったり、冷蔵庫にある食材を伝えてくれたり、おすすめの献立を教えてくれたりする機能があります。
そのときの気分や好み、ある材料を伝えることで最適なメニューを考えてくれるほか、使えば使うほど好みを覚えていく学習機能を備えたものもあるようです。
AI搭載洗濯機
天気や季節、素材や洗剤の種類から、最適な洗濯時間・洗い方に自動調節してくれたり、スマホと連動して外出先から洗濯機の操作をしてくれたり、さまざまな便利機能を装備。
なかには、洗剤が切れそうになった時点でショッピングサイトへ自動注文してくれる機能付きの洗濯機もあります。
チャットボット
チャットボットとは、AIの自然言語処理機能を活用した「自動会話プログラム」のこと。
チャットで問いかけることで、AIが人間のような自然な対話形式でチャットを返してくれるサービスです。
なかでも「チャットGPT」は、特に最近注目を集めていますね。
質問に答えてくれるほか、与えられた情報をもとに文章を作成・要約したり、複数の言語間で翻訳を行えたりします。
また、ビジネスにおいてカスタマーサポートやメールの返信、予定の調整、顧客に合わせた商品紹介や情報提供、予約や注文受付などに対応するチャットボットもあります。
電話自動応答システム
AIの自然言語処理技術を活用した電話自動応答システムは、かかってきた電話の内容を自動的に認識し、適切な回答を提供できます。
話すスピードやアクセントの違いまで認識することが可能で、問い合わせ内容を正確に理解することが可能です。
具体的には、日本でいうと「JALの音声案内」や「NTT東日本のボイスメール」などが挙げられます。
大量の問い合わせを無人で対応できる、効率的なビジネスツールです。
医療分野の診断・提案・サポート
問診、診断、手術支援、治療計画の立案、介護などでも、AIは幅広く活用されています。
特にAIの画像診断は古くから活用されており、レントゲンやMRI画像の異常部分を検知し、疾病やその傾向の見逃し防止に繋がっています。
また、カルテの情報からAIが疾患を特定したり、介護において入居者の確認や転倒、発作などの検知を行うことも可能です。
活用はまだ少ないようですが、内視鏡の画像をAIに読み込ませると病変が腫瘍性か判断する「内視鏡AI」や、AIが解析をして最適なインスリン量を自動で投与する「インスリンポンプ」、採血を自動で行ってくれる「採血ロボット」など、AI搭載のさまざまな医療器具も登場しています。
AI(人工知能)は今後どのように進化し活用されていくのか
現段階でもAI(人工知能)の進化は著しいですが、将来どのように進化していきそうか、という点も気になりますよね。
今後はAI自身が自己改善を行い、より高度なタスクを実行できるようになる「自己進化型AI」が登場したり、人間と同様に感情や倫理を理解することができるAIが登場することも、一部で予想されています。
そういった進化によって、どう活用方法が変わっていくかも注目ポイントです。
日常生活では、AIによる警備や決済が備わった無人店や、自動運転の自家用車・タクシーが増えたり、よりリアルタイムで気象予測が確認できたり、ロボットが人間と変わらないコミュニケーションをとれるようになるなど、さまざまな進化があるでしょう。
AI搭載のドローンの開発も進んでおり、災害時や遭難時の捜索・救助、物資援助も近い将来可能になりそうです。
ビジネスにおいては、例えば医療分野なら顔認証による電子カルテ利用、電子カルテへの音声入力、顔認証による病棟入室、患者の転倒防止アラート、外科手術患者への医師アバターを使った事前説明など、さまざまなAIの導入が検討されています。
介護においても健康状態を24時間管理・サポートでき、会話でコミュニケーションもとれる介護ロボットの導入も検討されているようです。
また、肉体労働の作業を担ったり農作物を管理したり、農業におけるAIの発展も期待されています。
AIによってなくなるビジネスもある?
ビジネスにおいては、AIの導入で効率化を図れる、あるいは作業を任せられるようになることで、「なくなる仕事もあるのでは…」という不安の声も挙がっています。
具体的には、事務作業や受付業務、レジ打ち作業、工場でのライン作業、建設作業、警備作業など、単純作業や作業内容がルール化している業務です。
ただしAIはクリエイティブな発想や状況に合わせた柔軟な対応が必要な分野では、一部進んでいるものはありますが、大きな進化はまだ先になりそうです。
絵画やデザインを生成したり、小説を作成するクリエイティブなAIも登場していますが、全てデータをもとにしているため、「0から1」を作ることが難しいです。
人間には新しい価値を生み出す力が備わっているので、AIにはない独自の作品を創ることは可能でしょう。
また、例えば医療であれば、AIが入ることで医師が本来の医療行為に集中できるため医療全体の質が向上したり、効率的で負担の少ない業務が行えることで就職先としての魅力が高まり、優秀な人材確保に繋がることも期待できます。
患者にとっても人間による判断ミスや医療過誤などの恐れが減ることで、安心を得られるというメリットがあります。
AIに任せる部分と、人間が行った方が良い対応を使い分けることで、より良い方向にも進めますし、AIを使いこなすスキルを磨くことで、上手くAIと共存しながらステップアップしていくことも可能です。
今後、AIができることはさらに増えていくので、常にアンテナを張りつつ、良い方向に活用できるといいですね!
身近なAI(人工知能)は今後も進化が止まらない!
身近なAI(人工知能)の活用方法としては、音声アシスタントや音声認識アプリケーション、自動運転や運転のサポート、AI家電、チャットボット、電話自動応答システム、医療分野の診断・提案・サポートなど、幅広いです。
これらはAIの機械学習や自然言語処理などの技術を駆使して開発されており、日常生活をより便利に、効率的にするために役立っています。
AIの進化が今後も続く中、ますます身近になっていくことが予想されるでしょう。
AIに興味がある方は、北海道科学大学工学部情報工学科へぜひお越しください!
最新のマシンが整備された北海道科学大学なら、就職にも役立つリアルなものづくりの精神を育むことができますよ。