金属アレルギーとは?原因や症状、対策方法をチェック!
この記事について
アレルギーの中でも「金属アレルギー」は聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
金属アレルギーに悩まされている日本人は10人に1人といわれています。
金属製品やアクセサリーを身に着けると、肌がかゆくなったり、発疹が出たりするアレルギーですが、一体なぜこんな現象が起こるのか気になりますよね。
今回は金属アレルギーはどんな仕組みで起こる物なのか、何が主な原因なのか、という点を中心に解説していきます。
金属アレルギーの症状を引き起こさないための対策もご紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね!
このコラムは、私が監修しました!
教授柏倉 淳一Kashiwakura Junichi免疫学 膠原病 アレルギー内科学
アレルギーとは、異物に対して排除する生体防御反応が強く起きる結果、生体に不利益をもたらす反応です。現在、日本国民の二人に一人が何らかのアレルギー疾患にかかっていると言われています。私の研究室では、アレルギー疾患の1つで、近年、乳幼児から学童期で最も問題視されている食物アレルギーについて、その病態形成に関わるマスト細胞や好塩基球などを標的として、新たなアレルギー治療薬開発やアレルギー抑制物質の同定およびその作用機序についての研究を行っております。
目次
金属アレルギーとは?原因を知ろう
「アクセサリーに触れている部分がかゆくなる・赤くただれる」 というような症状が出る場合、金属アレルギーの可能性が高いです。
これは「接触性皮膚炎」といい、汗で金属が溶けてイオン化し、金属イオンが皮膚のたんぱく質と結合することで、体がこの結合物を異物とみなして免疫反応を起こします。
そのため、特に発汗の多い夏に発症しやすいといわれています。
また、金属アレルギーの中には皮膚以外の部分から金属アレルギーの原因金属が体内に入ると全身に症状が出るケースもあります。
「全身性金属皮膚炎」と呼ばれるもので、金属が直接皮膚に触れることで生じるのではなく、口腔内の金属が唾液でイオン化し、体内に入ることで起こる接触性皮膚炎です。
どんな金属・金属が含まれる物で症状が引き起こされるのかも、確認していきましょう。
金属アレルギーの原因となる金属や含まれる物は?
金属アレルギーを引き起こす原因となる金属は「水銀、ニッケル、コバルト、クロム、パラジウム、スズ、白金、亜鉛、銅」などが代表的です。
皮膚に触れる金属が含まれる物といえば、ピアスやネックレスなどのアクセサリーが原因になることが多いですが、実は服や服飾小物に付いている金属、調理器具に使用されている金属によって引き起こされるケースもあります。
例えば、メガネのフレーム、服に付いているジッパーやボタン、財布やバッグのチェーン、金属物質を含む鍋やフライパンなど、意外な部分に使われている金属にも注意が必要です。
口腔内の金属が原因で起こる「全身性金属皮膚炎」の場合は、歯科治療の際に用いられる被せ物や材料に含まれる金属のほかに、食品に微量に含まれている金属物質の摂取によってアレルギーが出るケースも。
歯科治療であれば、金銀パラジウム合金でできている銀歯や、矯正器具に使用される金属のワイヤーなどが挙げられます。
金属物質が含まれる身近な食品でいうと、例えばチョコレートなら「ニッケル・クロム・コバルト・銅・亜鉛」など代表的な金属物質がほとんど入っています。
ナッツ類、コーヒー、紅茶にも多く含まれており、そのほかにもニッケルを多く含む物、クロムを多く含む物…など該当する食品や飲料はたくさんあります。
普段口にしている物が金属アレルギーを起こすことがあるのは意外ですよね。
金属アレルギーの症状とは?
金属アレルギーでは、金属製品と接触することで接触部分やその周辺がかゆくなり、紅斑が出て赤くなったり腫れ上がったり、小さな丘疹が出現するなどの症状が出ます。
また、金属アレルギーは「遅延型アレルギー」とも呼ばれており、症状はすぐには現れず、24~48時間経過後に超えてから 発症するケースが多いです。初期の場合は数日後に出る場合も。
ひどくなると小水疱や小膿疱ができたり、さらには全身の倦怠感や発熱が起こるケースも稀にあります。
皮膚の治療としては、症状にもよりますが、ステロイド軟膏の外用や抗ヒスタミン剤の内服を行うことが多いです。
「全身性金属皮膚炎」の場合は、金属が唾液で溶けることで、口内がただれたり、手足に膿が出現したり(掌蹠膿疱症)、または手足に水ぶくれができたり(汗疱状湿疹)、全身に痒疹が出る場合もあるようです。
どちらも、症状が出た場合は病院でパッチテストなどの検査を受け、アレルギーの原因となる金属が何かを確認しましょう。
金属アレルギーの対策方法もチェック!
まず第一に、どの金属がアレルギーを引き起こしているかわかったら、その物質を含む物を使うのは避けましょう。
歯科金属に反応している場合は、歯科医にも相談をしてくださいね。
「使えない物ばかり…」と不安に思ってしまいますが、近年、金属を含まない代替の物がたくさん出ています。
例えば身に着ける物ならニッケルフリーの物も多く販売されていますし、純度の高いチタンやプラチナ製品、樹脂、セラミック、ジルコニウム、タンタル、サージカルステンレスの物を選ぶと比較的安心です。
そのほか、アクセサリーをフッ素樹脂やガラスなどでコーティングして金属アレルギーの症状を防ぐ「コーティング剤」を塗布する方法や、皮膚を保護するクリームもあります。
ただし、なかにはそれでも反応するケースもあるため、事前にかかりつけの医師に確認しましょう。
また、アクセサリーを長時間身に着けない・夏の暑い時期は身に着けるのを避けること、身に着ける物や肌の状態を清潔に保っておくことでも、金属アレルギーを防ぐことにつながります。
まずは金属アレルギーの原因になる金属を確認!対応商品を使おう
金属アレルギーには、直接皮膚に触れることによって反応が起こる 「接触性皮膚炎」と、金属を含む素材を使った歯科治療や食べ物などが体内に入って全身に反応が起こる 「全身性金属皮膚炎」などがあります。
汗や唾液で金属が溶けて金属イオンとなり、体が異物とみなして免疫反応が起こることが原因です。
金属アレルギーは「水銀、ニッケル、コバルト、クロム、パラジウム、スズ、白金、亜鉛、銅」などの金属に反応して起きることが多く、これらはアクセサリーだけでなく、服飾小物や調理器具、銀歯などの詰め物や矯正器具、食べ物にも含まれます。
症状が出た場合は、どの金属に反応してしまうのか、病院でパッチテストなどの診断を行ってもらいましょう。
近年は金属アレルギーの方向けの商品がたくさん出ているので、事前にかかりつけの医師に相談してから、ぜひ活用してみてくださいね!
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