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義肢装具学科の佐藤先生が『下肢装具使用者が使用可能なスノーブーツの開発』を目的として、企業との共同研究を進めています

義肢装具学科 佐藤 健斗助教が、寒冷地における『下肢装具使用者が使用可能なスノーブーツの開発』の研究を進めています。

こちらは企業との共同研究となり、以下の皆様が携わっています。

  • 中村記念病院 副部長 医師 前田 理名 様
  • (株)田村義肢製作所 代表取締役社長 田村 知之 様
  • (株)ミツウマ 商品部 部長 松岸 明紀 様

共同研究『下肢装具使用者が使用可能なスノーブーツの開発』

研究のきっかけ

義肢装具を製作している田村義肢製作所 田村様と、患者に装具を処方している中村記念病院 前田先生の間で、「下肢装具を使用している人が履けるスノーブーツが無く、毎年患者さんから相談を受けるが対応が出来ない」という状況がずっと続いていました。

寒冷地で生活をしている人にとってスノーブーツが無いということは非常に危険なことであり、この問題を解決するために前田先生から本学佐藤助教に相談いただいたことがきっかけとなり研究が始まりました。

しかしながら開発には「具体的なスノーブーツを作るノウハウ」を持っている方の協力が不可欠となり、佐藤助教がミツウマ様にホームページのメールフォームから問い合わせの相談をしたことがきっかけとなり、共同研究へのミツウマ様の参加も決まりました。

問い合わせを受けた際についてミツウマ 松岸様に伺いました

ミツウマは元々ゴム長靴の会社で、最初佐藤助教からゴム長靴で下肢装具が使用できるものを製作できないかと相談をいただきましたが、ゴム長靴は作り方にかなり規制があり履き口がガバっと開かせることができないため、ゴム長靴での実現は難しいと判断しました。

そのためゴム長靴ではなく、ミツウマでも製造していたスノーブーツタイプを提案させていただきました。

ゴム長靴はミシンによる縫製ができないのですが、ノーブーツで使用しているナイロンの生地は自由に縫製が可能で、更にシート等を入れることで防水機能を持たせることができるので目的に適していました。

スノーブーツ開発の進め方

田村義肢製作所 田村様、中村記念病院 前田先生、佐藤助教でスノーブーツにほしい機能を全て取りまとめてミツウマ様に提示をして、ミツウマ様に協力いただくことが可能か検討を依頼しました。

すると1ヶ月半後にミツウマ様から「ほぼ完成した製品」の状態の試作品を提示いただきました。

ミツウマ様の協力があり、下肢装具使用者が履くことができるスノーブーツの実現が大きく前進することとなりました。

現在は、中村記念病院を利用されている下肢装具使用者の方にスノーブーツを試着をしてもらった意見、田村義肢製作所様からの意見、中村記念病院の理学療法士様の意見を取り入れてスノーブーツの修正を繰り返しています。

今後の展望

完成後、どのように下肢装具使用者の手元にスノーブーツを届けていくかを検討中です。


取材時に実際に試作品を手に手にとって見させていただきましたが、非常に軽く、履き口がチャックで大きく開くのでとても使いやすいと感じました。

スノーブーツ完成後、下肢装具使用者の皆さんに使用いただくのが非常に楽しみです。