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薬学科 三原 義広講師がスリランカのコロンボ大学とペラデニア大学で講演を行いました

スリランカの水質問題と浄水システムの普及状況を調査するために、薬学科 三原 義広講師がスリランカのコロンボ大学とペラデニア大学を訪問しました

ペラデニア大学

スリランカでは長年にわたりフッ素に由来する慢性中毒が確認されています。

スリランカの農村部では飲料水源に地下水を使用しており、この地下水のフッ素濃度が高いため、長期間にわたってフッ素の過剰摂取により、健康被害が報告されています。

たとえば、エナメル質の表面に不規則に分布する、チョーク様の白い斑点がみられる歯のフッ素症や、慢性腎臓病などがあります。

フッ化物は虫歯予防などに用いられることもあり、日本でもフッ化物配合の歯磨剤が販売されたり、歯科医院などではフッ化物洗口やフッ化物歯面塗布が行われたりしています。これらは適切な用量と使用法を守ることで安全に運用されています。

水のフッ素濃度が高い地域では、水質の調整が必要です。

近年、日本からの支援により上水場や浄化装置などの設備が提供されています。しかし、浄水場から普及させるべき浄化システムは、従来の大規模な浄水場を建設するというアプローチだけでなく、家庭用の水瓶に投入すれば一定時間後に飲用水として利用できるようなシステム(浄化剤)も必要であることを講義しました。

スリランカの人々は素朴で親切な方々が多く、訪問中は多くの支援を受けることができました。スリランカの学生たちは私の活動に興味を持ち、熱心に質問してくれました。終わった後も質問が絶えませんでした。彼らも自分たちの活動に一生懸命です。

街は美しく、資源も豊かです。今後はスリランカの研究者と共に水浄化技術などについて研究の打ち合わせと現地調査準備を進めていきます。また、彼らへの感謝を込めて、今後もスリランカでの経験を発信していきたいと考えています。

謝辞:積水化学自然に学ぶものづくり研究助成プログラムからの奨学寄附金で活動しています。