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2024年11月05日

電気電子工学科卒業生の実証実験機を宇宙に打ち上げます!

2007年3月応用電子工学専攻(現、電気電子工学専攻)卒業の上野 宗一郎さんのご紹介

大学院生として所属していたゼミの教員が立ち上げた大学発ベンチャーである北海道衛星株式会社の設立に携わり、ハイパースペクトルカメラ技術の開発、製品化、量産化に従事。

その経験から更に機能の深堀りをするため株式会社東芝に入社し、半導体事業部にて10年程イメージセンサーの開発に携わり顕微観察装置「MID(マイクロ・イメージング・デバイス)」を発明。
その後、スピンアウトベンチャーとして2017年に株式会社IDDKを設立。

社名であるIDDKの由来は「いつでも、どこでも、誰でも使える、顕微観察技術」の頭文字。

株式会社IDDK設立までの軌跡

上野さんが代表取締役を務める株式会社IDDKでは、指先サイズの顕微観察装置「MID(マイクロ・イメージング・デバイス)」を開発しています。

会社の立ち上げ当初は再生医療や食品衛生に対してMIDを活用する道を模索していましたが想定よりもMIDの新規参入は難しく、よりMIDが求められている業態を検討した際に宇宙バイオ実験に出会いました。MIDを使用することで、従来の顕微鏡を使うことが難しかった場所(例えば、海底や宇宙)での顕微観察が可能になり、診断や観察、未知の病気の発見などが可能になります。

その後、大学生時代の後輩であり長年宇宙事業に携わっていた竹内佑介さん、本学教員で人工衛星開発の知見がある三橋龍一先生に相談をして宇宙バイオ事業に本格参入しました。

上野さんと三橋先生

2008年3月応用電子工学専攻(現、電気電子工学専攻)卒業の竹内 佑介さんのご紹介

修士修了後、大学発ベンチャーの北海道衛星株式会社に入社し、ハイパースペクトル、マルチスペクトルカメラの開発、販売を担当。開発マネジメント業務を中心に広く業務を行う。また、産学連携による衛星開発プロジェクトにおいてサポート業務も行う。
2022年に株式会社IDDKに入社。宇宙バイオ実験プロジェクトマネージャーに就任し、宇宙機搭載機器開発業務に従事している。

2024年度末に、日本としては初となる人工衛星による宇宙バイオプラットフォームの実証実験を実施

宇宙バイオ実験プラットフォームのサンプル

2024年度末に日本で民間初となる人工衛星による宇宙バイオ実験プラットフォームのための機器の実証実験のため、ドイツのATMOS Space Cargo GmbH(以下、ATMOS社)の人工衛星にMIDを活用した自動バイオ実験装置(Micro Bio Space LAB、以下MBS-LAB)を搭載し、軌道上で機器の駆動実験を実施します。

宇宙バイオ実験とは

宇宙空間でバイオテクノロジー実験を行うことです。
重力がほとんど無い環境では高品質なたんぱく質の結晶が形成されやすく、X線構造解析による薬剤設計などに大きく貢献しています。

[参考]タンパク質の構造解析 | タンパク質結晶生成宇宙実験 | JAXA 有人宇宙技術部門サイト

日本初!宇宙でバイオ実験を行い地球にサンプルを持ち帰るシステム

ATMOS社が打ち上げる人工衛星の特徴が「サンプルリターン」です。

世界で初めてサンプルリターンに成功した「はやぶさ」と同様に、今回打ち上げるATMOS社の人工衛星も地球に戻ってくる計画です。
人工衛星を用いて宇宙でバイオ実験を行い、地球にサンプルを持ち帰るシステムは世界中で開発が加速していますが、まだ実証された例がほとんどありません。

IDDK社では、世界で先駆けて自動実験装置である汎用バイオ実験システムを用いて軌道上で運用し、サンプルリターンによって地上に帰還する実証を成功させることを目指しています。

ATMOS社との繋がり

IDDK社では日本国内よりも海外の企業・団体との連携が多く、世界中の宇宙関連イベントに参加して様々な企業と出会っています。

ATMOS社以外にも複数の企業と提携していて、今回条件がマッチしたパートナー企業であるATMOS社の人工衛星で実証実験を行うことになりました。

上野さんから「宇宙バイオ実験」に興味がある生徒・学生のみなさんにメッセージ

宇宙バイオ実験は、今まで国際宇宙ステーションなどの限られた環境でしか行うことができない。狭き門を潜り抜けた人だけが行える特別なものでした。
しかし、これからは私達を初めとする民間企業により開かれたフィールドになります。
そして、狭き門であったがゆえに、まだまだ多くの未確認、未検証、未発見な事象も多くあるフィールドです。
大げさに言えば世界で初めて、人類初に挑戦できるフィールドです。
是非、世界初、人類初に挑戦してみてもらいたいです。

そして、もし興味を持ったら、先ずは行動、できるだけ早く研究や開発に触れて頂きたいです。
授業などで蓄える知識とそれを活用する実践を多く経験することはきっと今後の人生にプラスになると思います。

IDDK社では中高生を巻き込んだ宇宙実験も実施しています!

IDDK社ではクラウドファンディングを実施中!日本初のチャレンジをぜひ応援してください!

IDDK社では今回の実証実験のクラウドファンディングを実施中です。

クラウドファンディングのページではより詳細な説明があるので、興味がある方はぜひご覧ください。