北海道科学大学メディアデザイン学科の学生が「アクセシブルデザイン」の授業で色覚の多様性について理解を深めました
2023年6月22日、メディアデザイン学科1年前期開講科目「アクセシブルデザイン」の第10回授業において、前週の高齢者体験に続き、ゲストを招聘した特別講義を実施しました。
今回の授業テーマは、デザインを考える際に欠くことのできない「誰のために」という視点、ユーザー理解の最終回です。
人の色覚の多様性とカラーユニバーサルデザインについて、北海道カラーユニバーサルデザイン機構の理事で、ご自身でもグラフィックデザイン事務所を主宰されている北名由美子氏(有限会社キュープランニング代表取締役)にご講演いただきました。
人間の色覚は血液型のようにタイプがある
講演ではまず、私たち人間の色覚は血液型のようにタイプがあり、ただし、それらのタイプはグラデーションのように、色の見え方の多様性をもたらしていることをお話しいただきました。
私たちの身近にある自然環境や人工物の持つさまざまな色は、本人が色の情報を認識することに留まらず、人と人とのコミュニケーションにおいて、言葉・対話の豊かさを感じさせてくれるものです。
不特定多数の人、かつ、より多くの人々へ情報を正しく伝える必要のあるグラフィックの媒体では、制作側であるデザイナーやクリエイターが、単に制作物を作るのでは不十分で、カラーユニバーサルデザインの基礎知識を持ち、制作ツールに搭載された表示シミュレーション機能などでまずは簡易検証して、デザインの質を高めていく必要があります。
学生は用意されたシートとシミュレーションアプリ「色のシミュレータ」を用いて、カラーユニバーサルデザインによる配慮の前後を比較しながら、カラー計画と、さらに色にのみ頼らないデザインテクニックについて学びました。
また、配色計画については、視認性の高い組み合わせを検討することに挑戦するなどしました。
また、札幌市の広報物等制作時にかかる色の配慮、テレビ放送や学校教育の教科書など、カラーユニバーサルデザイン普及のための検証事業の実践から多数の事例紹介をいただき、デザイン初学者の学生たちにとって大変気付きの多い機会となりました。
北名氏には、2020年から三ヵ年はオンライン授業で同授業に参画いただいていました。今年度は学生約75名と対面して、体験型のプログラムを実施いただき、チャット機能を併用した学生とのやりとりも楽しんでいただきました。
北海道カラーユニバーサルデザイン機構様には、改めまして本学の教育活動へのご協力、誠にありがとうございました。
関連リンク
北海道カラーユニバーサルデザイン機構
札幌市「広報に関する色のガイドライン改訂版」
色のシミュレータ
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