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本学メディアデザイン学科の教員が手稲郷土史研究会にて「手稲山」について講演しました

2005年発足以来、ふるさと手稲の歴史を掘り起こし次代へ伝えようと活動を続ける「 手稲郷土史研究会」の、第202回を数える定例会(2023年10月11日)において、未来デザイン学部 メディアデザイン学科 地域デザイン研究室の道尾 淳子 准教授が「手稲にとって手稲山とは何か」を題目に講演を行いました。

講演の中では、「手稲」というエリア設定と「手稲山」のもつ文脈を独自に解釈し、本学法人内に2019年度「手稲山の日記念ウォークイベント」を主に企画運営する「手稲歩く観光・教育研修創造プロジェクト」を立ち上げたことの紹介がありました。「シンボリックな手稲山の存在、そして「手稲山の日」というローカル記念日を知り、地域貢献を行う学校法人として、若い学生たちと地域の多年代の皆さんが、秋の季節をともに楽しむアクティブな行事を企画・実践したい。」また、「小さな規模でも、実施を継続することによって、結果として地域の自然環境やパブリック空間(歩道や都市公園等)の保全活動に関与できれば。」という想いが語られました。2023年度のイベント最終回は、10月21日(土)「手稲山の日記念ウォークイベントSTEP2:ファンウォーク&マルシェ」として実施されます。

「手稲山の日記念ウォークイベントSTEP2:ファンウォーク&マルシェ」についての記事はこちら

手稲郷土史研究会の会報は、札幌市公式ウェブページにおいて定期配信されています。本講演についても次号にて掲載予定です。

手稲郷土史研究会会報

手稲山は360度ぐるっとある

「手稲山」は行政区分は札幌市ですが、山頂に電波塔がいくつも立つユニークな山のシルエットは周囲の稜線とは明らかに異なり、市内に限らず近郊の市町の各所からその姿を認識することができます。札幌市としては手稲山麓に西区・手稲区・南区があり、民間のゴルフ場、スキー場、札幌市自然歩道として利用されているところもあります。ただし、手稲山は市域・区域の線引きとは異なり、広いエリアにおいて存在感を示しています。

ある場所をどう呼び合うのか、地名という創造

「手稲(テイネ)」という音の響きは、アイヌ語「テイネ・イ」に由来します。濡れているところ、湿地の意として伝わっています。物流・酪農・鉱脈・材木・ウィンタースポーツなど、水をコントロールしながら街を形成した歴史があります。しかし、通学の経由地・目的地としての「手稲」、現代のまちの姿からはありありとは、「テイネ」の歩みを感じ取ることができないのではないでしょうか。

時間の流れや風景の物語に加わる

標高1,023メートルにかけた「10月23日=手稲山の日」は手稲区によって2014年に制定されました。2024年、本学法人が手稲の地にて創立100周年を迎えるように、「手稲山の日」も来年は制定10周年です。このローカル記念日の制定も、山の名付けも、人によるクリエイティブな営みそのもの。ただでも流れていく時間の捉え方や、何気ない風景の見え方に意識を与えます。そうした人為性に敬意を表し、教職員・学生が誰に頼まれるでもなく、きっかけに利用させていただいく。それが「手稲歩く観光・教育研修創造プロジェクト」の活動理念です。