NEWS

お知らせ

看護学科の教員が災害派遣医療チーム「DMAT」の一員として能登半島地震の被災地へ派遣されました

2024年1月1日(月)に発生した能登半島地震の被災地で看護学科の石川 幸司 准教授が災害派遣医療チーム(DMAT)の一員として医療活動を行いました。

DMATとは、「災害急性期に活動できる機動性を持ったトレーニングを受けた医療チーム」と定義されており、災害派遣医療チーム isaster edical ssistance eam の頭文字をとって略して「DMAT(ディーマット)」と呼ばれています。

DMATは、医師、看護師、業務調整員(医師・看護師以外の医療職及び事務職員)で構成され、大規模災害や多傷病者が発生した事故などの現場に、急性期(おおむね48時間以内)から活動できる機動性を持った、専門的な訓練を受けた医療チームです。

石川准教授は北海道大学病院DMATの看護師として派遣され、1月8日(月)から12日(金)までの5日間被災地にて医療活動を行いました。

左から3番目が本学看護学科 石川准教授

DMATは現場の医療だけでなく、災害時に多くの患者さんが運ばれる被災地の病院機能を維持・拡充するために、病院の指揮下に入り病院の医療行為を支援する病院支援や、首都直下型、東海、東南海・南海地震など想定される大地震で多数の重症患者が発生した際に、平時の救急医療レベルを提供するため、被災地の外に搬送する広域医療搬送など、機動性、専門性を生かした多岐にわたる医療的支援を行います。

石川准教授は、地域医療の中核を担う病院機能を維持するための病院支援、具体的には救急外来の診療支援にあたりました。病院は固定電話が不通で救急車は連絡なしで24時間患者を搬送してくるため、救急外来を複数のDMATチームが24時間交代で診療しました。また、病棟では数十名の療養患者が入院しており、夜間帯に体位変換やオムツ交換など夜勤看護師の業務を支援しました。

被災地での活動を振り返って・・・

水道が復旧することはなく、水洗トイレは使用できず衛生環境は不良で、仮設トイレの設置や被災者へ温かい食事が届くのに非常に時間を要していました。また、被災地域は高齢化率が高く、交通事情から被災地へ行くことも困難であり、すべての対応が遅れていた印象です。過去の派遣と比較しても、最も過酷な環境だったのではないかと思います。冬季ということもあり、感染症に対応する衛生環境も不十分であり、被災者の安全を確保することが困難な災害でした。色々な想定を上回る被害状況を目の当たりにし、日ごろからの備えがどれだけ重要かということを再認識しました。

(北海道科学大学 保健医療学部 看護学科 石川 幸司 准教授)


被災地域の一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。