一分子レベルでの構造、分子の相互作用の解析
生命は多くの分子間の相互作用により維持できている。薬なども体内にあるタンパク質などの分子と薬が相互作用することでその効果を示すことができる。体内に存在するタンパク質の中には構造に多様性があるものもあり、LDL、HDLなどのリポタンパク質もその一つである。これらは完全に同一組成、同一構造をもつものは多くない。これら一つ一つのタンパク質の個性を評価するために原子間力顕微鏡(AFM)という装置により、個々の分子、粒子の性質の解析を行っている。AFMは観察したい物質を平坦な板の上に固定化する必要があるが、固定化した物質の形状や硬さ、電荷などを1オングストローム(0.1 nm)のレベルで測定することができる装置である。現在は、LDLの大きさ、硬さなどの情報をもとにLDLについて観察、分類を試みている。また、他の生体分子などとの相互作用もAFMを用いて解析することで、新規医薬品の候補を探索している。また、AFMを用いた生体分子観察の方法の開発を行っている。
武田 晴治 教授
- 学位/博士(薬学)
- 研究分野/生物物理学、分析化学
- 研究テーマ/AFMを用いたLDLの特性評価
AFMを用いた細胞と生体分子の相互作用解析