世界中の誰もが簡単に取り扱える反応の開発を目指して
我々の研究グループでは、抗生物質の一つで天然から得られるマクロライド類(Venturicidin類)の化学合成や有機反応の開発を中心に研究を行っています。
有機反応によってマクロライドのような大きな分子を作る過程では、予想とは異なる結果が得られる事があります。現在、マクロライド合成の中で発見した新しい事象に着目して、その一般性や有用性を明らかにするための検討を行っています。有機化学の反応の中には試薬の取り扱いや手順が難しいものが少なくないため、“世界中の誰もが簡単に取り扱える反応”を目指して日々実験を行っています。
先行して化学合成した微量のマクロライドは、他の研究室との共同研究で、腸管免疫関連物質α-defensinの分泌促進を始めとした、従来とは異なるマクロライドの新たな機能を探索しています。
その他、他の研究グループからの依頼で、北海道むかわ町などで栽培されている果実のシーベリーや万年茸の一種である鹿角霊芝の含有成分の抽出・分離精製・薬効機能の探索を行っています。
鈴木 裕治 講師
- 学位/博士(工学)
- 研究分野/有機化学、有機合成化学、天然物化学
- 研究テーマ/基礎的反応の問題点の解決と応用、合成マクロライドの腸管免疫促進機能の探索、植物・食品の薬効成分の抽出・分離精製