COOPERATION

研究紹介

研究・産学連携

感染症治療を、有効・安全に、耐性をつくらず未来につなぐ

山田 武宏 教授感染制御・抗菌薬適正使用に関する実務 医療系薬学

抗菌薬などの感染症治療薬は、他のカテゴリーの薬と異なり、使えばその分、耐性菌が発生するリスクがあります。このため、間違った使い方、過剰な使い方を避け、必要時には十分な量で治療することが求められます。

また、ときには重篤な感染症において特効薬として使われるこれらの薬が、副作用により使えなくなることは極力避けなければなりません。

前職である大学病院薬剤師としての経験から、そして続けてきた業務・研究なども踏まえ、私は以下①~③を追求すべく、研究を行っています。

「抗菌薬や抗真菌薬、抗ウイルス薬などの感染症患者さんに対して、

その薬物療法を

①より有効に使うには?

②より安全に使うには?

③耐性を増やさないように使うには?

以上の疑問点を解決することで、より確実な感染症薬物療法を実現し、患者さんのアウトカム改善を目指します。

これらの研究目標は、下記に示すさまざまな手法を用いて解析し、主に学会や論文で発表することで、臨床への提案を行っています。併せて、その中での薬剤師の果たすべき役割についても情報発信しています。

A:培養細胞などを用いた実験により(ヒト腎臓、肝臓などの細胞を用いて、毒性の発生機序、予防・治療法を提案)

B:患者検体を用いた治療薬物モニタリングの手法により(薬物血中濃度を測定し、患者個々の特性、背景に応じた最適な投与量を提案)

C:実際に医療機関を訪れ、薬の使用状況を調査することにより

(抗菌薬の使用量、薬剤耐性の発生率、消毒薬の使用量などを調査、その中での薬剤師のあるべき役割を提案)

D:医療関連の大規模なデータベースから、必要なデータ抽出・解析により

(レセプトデータ・副作用データベースを用いて、全国規模の医薬品使用量・副作用発生件数を解析、副作用発生のリスク因子発見と今後の予防策を提案)

山田 武宏 教授

  • 学位/博士(医学)
  • 研究分野/感染症、薬理学、データサイエンス、薬剤師実務現状解析
  • 研究テーマ/感染症薬物療法の有効性・安全性評価に関する研究、抗感染症薬の副作用発現機序の薬理学的解明、薬剤師業務・医薬品適正使用・感染症における医療ビッグデータ解析、保険薬局や中小・長期療養型医療機関における感染症治療適正化推進