COOPERATION

研究紹介

研究・産学連携

機能性分子を目指した有機リン酸化合物の合成

山岸 丈洋 教授薬系化学 創薬科学

特定の機能を有する有機化合物を機能性分子といい、生理活性化合物、光イメージングに用いられる蛍光性化合物などが代表例です。我々は化学構造としてこれまで開発例が少ない1価のリン酸であるホスフィン酸に着目し、機能性分子の設計・合成を行っています。

ホスフィニルジペプチドイソスター1は、アスパラギン酸プロテアーゼ阻害剤の重要な部分構造に利用されています。しかしながら、活性発現に重要な2つの不斉中心の立体化学を制御した1の合成例は極めて少なく、有効な合成法は確立されていませんでした。我々はリン原子の特性を利用し1の立体制御合成に成功しています。

π共役系化合物とホスフィン酸を組み合わせる方法で蛍光性化合物の開発を行っており、インドールの窒素原子をホスフィニル基で置き換えた誘導体2が蛍光特性 (λem=454nm) を示すことを明らかにしています。現在、近赤外領域の蛍光特性を目指し分子設計・合成を検討しています。

山岸 丈洋 教授

  • 学位/博士(薬学)
  • 研究分野/有機合成化学
  • 研究テーマ/リン原子の不斉を利用したホスフィニルジペプチドイソスターの立体制御合成、ホスフィン酸を導入したπ共役系化合物の合成と蛍光特性