研究概要
積雪寒冷地では、雪や凍結によって装具使用者の活動圏が縮小されがちです。そこで本研究では、装具使用者の安全確保及び活動圏拡大のため、装具の主材料となる高分子化合物(ポリプロピレン)の機械特性を低温曝露による材料の劣化や装具製作の条件及び材料の諸物性等の観点から明らかにし、医療用装具の安全性・耐久性を向上することを目指します。
本学の異分野のエキスパートが英知を結集することによって、義肢使用者はもちろん、装具処方判断を行う医師にとっても有用となるデータの蓄積を進めております。
背景
脳卒中片麻痺患者等のリハビリテーション及び日常生活を支援する医療装具として、ポリプロピレン製の短下肢装具が処方されることが多くなっています。ところが、装具材料のポリプロピレンの規格及び加熱・冷却工程には特に規定が定められておらず、極寒地環境での長期間の使用のためにはさらなる知見を蓄積する必要があります。このため、本研究では、北海道のような寒冷地を活動圏とする装具使用者の安全確保及び活動圏の拡大のために、主材料である高分子化合物(ポリプロピレン)の機械特性に影響する因子を明らかにし、装具材料の安全性に関する知見を整備することを目指します。