COOPERATION

研究紹介

研究・産学連携

既存医薬品の重金属中毒治療への応用

立浪 良介 教授衛生系薬学

当研究室では、既存の糖尿病性末梢神経障害治療薬を重金属中毒の新規治療薬として、あるいは酸化ストレスが発症・進展に関わる心疾患やがんなど多くの疾患の治療に対して応用することを指向して、培養細胞を用いた基礎研究を行っています。
カドミウムは、土壌や水など環境中に広く存在していて、米や野菜、魚介類など多くの食品中に含まれています。日本では米から摂取する割合が最も多い有害重金属です。カドミウムを含めた重金属中毒の治療には、特異的解毒薬が少なく対症療法が主に行われています。解毒剤を利用した治療としては、EDTAによるキレート療法が中心となっていますが、EDTA療法の副作用として腎毒性が問題となっており新規治療薬の開発が求められています。エパルレスタット(EPS)は、日本で開発され1992年より発売使用されている糖尿病性末梢神経障害治療薬です。これまでに、EPSが転写因子Nrf2の活性化を介して抗酸化因子であるグルタチオンやヘムオキシゲナーゼ-1を増大させることを見出しています。

立浪 良介 教授

  • 学位/博士(薬学)
  • 研究分野/衛生薬学(環境科学、毒性学)
  • 研究テーマ/毒性防御機構に関する研究